English

オーガニックは健全

有機栽培の現状

 現在、国内で生産される農産物のうち、JAS認定を受けた有機の割合はわずか0.16%(重量ベース)。残念ながら、非常に少ない割合です。
 また、07年3月末時点で、有機JAS認定を国内で受けている生産行程管理者数は約2700件(組合やグループ含む)。農家数にすれば 5000〜6000戸といったところでしょうか。仮に、国内の有機農家数が5000戸だとすると、農業就業人口全体の0.16%となり、前述の有機農産物の割合と符合します。
 一方、国内有機JAS認定ほ場面積については、まとまったデータがないのではっきりしませんが、有機農産物や有機農家の割合0.16%から推定すれば、耕作可能面積(約467万ha)の0.16%、つまりは7500haくらいと推定するのが妥当ではないでしょうか。
 多くの消費者が、農薬や化学肥料の使用を避ける有機農産物を求めているにも関わらず、生産現場における有機栽培は、遅々として進みません。原因は幾つか考えられますが、第一は生産者と消費者の意識が乖離していること、二つめは社会的投資が増えないことではないかと思われます。
 第一の原因としてあげた「生産者と消費者の意識が乖離している」とはつまり、農産物に対する消費者の要求が高すぎて、生産技術が追いつかないということです。
 出来ることなら農薬や化学肥料は使いたくない――生産農家がそう思っていても、虫食いがあったり、形が悪かったりすれば、販売先が限定されるうえ、価格も低い。また、雑草管理に失敗すれば、収量が低下する可能性もあります。
 せっかく手間ヒマをかけて有機農産物を作っても、相応の評価が得られないのであれば、生産農家が二の足を踏むのも、当然と言えば当然かも知れません。
 将来的に、有機栽培の技術面、とくに農薬に頼らないで、病害虫を防いだり、被害を最小限に食い止めたりする技術が向上し、さらに消費者の有機への理解が深まれば、有機農家は確実に増加するでしょう。

 一方、二つめの「社会的投資が増えない」とは、官民ともに有機農家へのサポートが充分ではないということです。06年12月、有機農業推進法が成立し、日本でも有機農業を広めていくことになりました。しかし、予算規模は年間5億円程度と非常に小さく、どの程度のことができるのか疑問です。
 また、民間レベルでできることと言えば、ファーマーズマーケットの形成や有機種苗の流通などが考えられますが、どちらも大きな動きにはなっていません。特に、有機種苗は、種苗会社の協力なくしては実現しませんが、いまのところ利潤が見込めないという理由で、有機種苗はほとんど市場流通していません。
 社会的投資について例えばEUでは、有機農家への直接支払い制度が整備されていますし、有機種苗の市場流通も盛んです。また、有機食品の取引に関しても、域内流通であれば容易です。つまり、有機を推進するために官民が一体となって仕組みづくりを行っているわけです。日本もぜひ、参考にしたいものです。