オーガニックは健全
前述したように、オーガニック運動(有機)は、「持続可能な環境」を目指しています。生産現場で農薬や化学肥料の使用を避けるのはもちろんですが、それ以外にもJONAのオーガニック基準では、以下を考慮しています。
1. 生産現場の省エネ・省資源
農産物の生産には、機械の燃料やマルチ用のシート、野菜を出荷する包材、その他、様々な資源とエネルギーを使います。また、路地と加温ハウスといった栽培方法の違いによっても、エネルギー使用量に大きな違いが出てきます。
そこで、JONAオーガニック基準では、エネルギーと資源の使用量を可能な限り低減するよう求めるとともに、生産現場から排出される物資のリサイクルや廃棄物の適正処理など、環境への負荷を最小限に抑えるよう求めています。
気候の合う地域で旬の作物を栽培し、地域で消費する(適地適作・地産地消)――それが、もっともエネルギーと資源を浪費しない栽培方法と言えるでしょう。
2. 生物の多様性を保全する
田んぼや畑およびその周辺には、野生の動植物がたくさん棲息しています。その中には、害虫(獣)や雑草と呼ばれて嫌われる動植物もいますが、地域の生態系と言う観点でみれば、こうした嫌われものも含めて全体のバランスを保っているわけです。
殺虫剤を使えば、作物を食害する虫は減るかもしれません。除草剤を使えば、栽培の邪魔になる雑草は枯れてなくなります。しかし、そうした栽培方法は、ただそこにいる虫や普通の草までを排除し、結果として地域の生態系バランスを崩してしまうことになります。
JONAオーガニック基準では、「生物多様性の確保」という項目を設け、できるだけ多くの生物を保全するよう求めています。
虫一匹、草一本にまで配慮する――それが、有機栽培の基本的な考え方です。
3. 社会正義と社会貢献
JONAは、有機食品の生産を行っている世界のあらゆる国・地域を認証業務の対象としています。このため認証の審査では、国籍や宗教、性別などによる差別や児童労働の問題などにも配慮する必要があるわけです。
JONAオーガニック基準「社会正義」の項では、不当な労働の強要、あらゆる差別、不当な児童労働を禁止し、作業員の安全性確保を求めています。
