2011年5月26~29日の3泊4日で、中国有機視察ツアーに行ってきました。

一番の驚きは、中国の経済発展のスピード。想像以上でした。
これは、はじめて中国に訪れた参加者も、10回以上訪れた経験がある方も、みんなびっくり!!私も3年前に訪れましたが、その時とは比べものにならなりません。

2008年の北京オリンピック、2010年の上海万博が後押しをしたのでしょう。

上海崇明島の農家のご自宅のトイレは、洋式の水洗トイレ。さすがに、河北省は『ニイハオトイレ(個室ではなく仕切がないトイレ。前で順番を待つ利用者と、挨拶を交わしたりするのが由来だそう)』でしたけど。


参加者は、信州にあるひかり味噌(株)の社員5名、JONA判定委員3名、非会員で「次代の農を考える会」のメンバー1名。

有機工場&農家は、河北省の栗を視察。

工場内は衛生的で、見学用通路までありました。
栗を炒る工程の熱源は、剥いた栗の殻を使用しており無駄がないとのこと。循環していましたよ~。

有機栗山は、想像していたものと違い一面栗しかありませんでした。もう少し、違う植物が生えていると思ったが、栗の木だけ。圧巻でした。
おじいちゃんの代からあるという大きな栗の木。これを境目に、認証畑と区別していました。
有機栗農家の自宅は、とてもモダンなコンクリート造り。担当者のお話では、有機を始める前までは簡素な土作りの家でしたが、有機認証を取得して海外に有機品を輸出してからは、瞬く間に家が立派になっていったそうです。
日本の甘栗の消費が、中国有機農家を経済的に支えていることを感じました。

その他、上海・崇明島で2つの有機農家を視察。

崇明島は、国の政策で緑を残す島に指定されているとのこと。

有機農家も多いそうです。島に渡ったとたん、街路樹にはたくさんのモンシロチョウ。
化学合成農薬を使用しないため、露地栽培のキャベツでは粘着版が置かれていました。解放空間での使用で効果のほどは不明です。

北京と上海のスーパー視察では、思ったより多くの中国認証マーク商品がありました。
野菜、キノコ類、米、シリアル、卵。あまり加工度の高い調味料や飲料などはありませんでした。


中国では、2006年9月9日から有機・オーガニックと表示する場合には、中国の有機認証が必要です。
海外(日本)の有機制度との同等性はなく、海外で生産したものを中国に輸出し有機食品として販売する場合は、中国国内制度での有機認定が必要です。
しかし、北京・SOGO、上海・TESCOでは、まだまだ認証マークがなく有機と書いてあるがマークがないものもありました。ここでしっかり取締をしていくかしていかないかで、中国の有機の信憑性が左右されるでしょう。



メインのBiofa CHINA!
日本の自然の恵みフェアーと同様の規模。とても立派な作りでした。
中国で最大の認証件数を抱えるCOFCCの李顕軍氏より「中国の有機食品の現状」について講演を賜りました。
李氏の話しでは、前年と比較して、年間売上げ額で3割増。急成長しているとのこと。
有機が伸びている理由としては、テレビや雑誌などのメディアが取り上げていること、消費者グループなどの市民運動体が農業体験などを通じて有機を推進していること、富裕層の増加、国営企業の社内食堂での消費や福利厚生の一環として職員食品宅へ有機食品を配達していることが大きいとのことでした。


中国の有機市場金額予測は日本とほぼ同じ1250億円。
認証面積は、採取場が一番多く149万ha,ついで牧草地が110万ha。作物は25万haだそうです。
急速な経済発展に伴い、有機市場も面積も急増しています。

アジアの大国・中国。これからさらなる経済発展を遂げるであろう中国の有機から目が離せません。

(JONA事務局 佐々木)