JASとEUとの同等性について今後変更が生じることは3月13日にお知らせしたところですが、この変更に関連して国内のEU認証事業者様の認証内容について、以下の影響が生じる可能性があることがわかりました。
ご説明の前提として、EU認証ではJASとの同等性の範囲内の製品については、EU認証を取得することができません。
【EU認証が取得できない例→JASとの同等性でEUに輸出しなければならない】
・日本国産の有機農産物
・日本国産有機農産物を用いて日本国内で製造された有機加工食品
・日本との同等国の有機原料を用いて国内で製造された有機加工食品
・上記を国内で小分けした製品
今回の同等性範囲の拡大で、これまでのEU認証対象品(同等性で輸出できなかった酒類、原料原産地が日本との同等国外の加工食品)が同等性で輸出できるようになる(同等性で輸出しなければならくなる)ため、日本国内でのEU認証のCategory D(加工食品)の審査ができなくなる規則改正が進んでいます。
【考えられる影響】
EU認証審査ができなくなるため、皆様も認証を受けることができなくなり、有機表示できず現在のままではEUへ輸出できなくなる可能性があります。また現在使用中のラベルなどは、下記4のとおり使用できなくなります。
【対応が必要となること】
1.JASでの同等性出荷のため、有機JAS認証を取得する。すでにJAS認証を取得している場合はJAS認証範囲にEU製品が含まれるかの確認が必要です。
2.JAS-EU同等性を満たす原料への変更など、製品スペックの変更検討が必要です。(EU認証のみ原料を使用している場合など)
3.製品にユーロリーフを表示する場合、JAS外国格付表示業者の認証を取得する必要があります。認証にあたっては、申請書の提出、検査(リモート可の場合がある)、担当者の講習会受講などが必要です。講習会については、外国格付表示業者用講習会を受講(動画視聴)していただくか、すでにJASで講習会を受講されている方は、通信テストに回答いただくだけで、講習会の修了可能です。
4.EU向け製品の包材の切り替え。JONAのEU認証品の認証コードはJP-BIO-145ですが、同等性輸出の場合JP-BIO-005に変更が必要です。
この状況について、JONAではEU委員会に以下の要望を提出していますが、現在のところ回答を得られていません。
【要望している内容】
■今回の改正によって、輸出ができなくなる事業者や製品があること。(すでにEU認証で製造している製品の原料が同等性をカバーしていない原料のため、これらのEU認証品が輸出できない事例など)
■同等性ではカバーできないCategory D(加工食品)については引き続き国内で認証できるようにしてほしいこと。
■日本とEUの同等性の範囲内で新たにカバーされる物資については、移行期間を設けてほしい。
※スイス認証についても、EU認証と同様に今後国内での加工食品の認証ができなくなる可能性があります。
本件についてご不明な点がありましたら、事務局までお問い合わせください。
以上